また今回もダメだった…その瞬間、世界が止まる
採卵スケジュールに合わせて仕事を調整し、ホルモン注射の副作用に耐え、移植後は絶対安静を心がけて、判定日まで祈るような気持ちで過ごす。それなのに届くのは「陰性」の知らせ。
「今回こそは」と期待した分、落ち込みは深くなります。周りからの「リラックスすればできるよ」という何気ない言葉が、かえって心を追い詰める。SNSで妊娠報告を見るたびに、素直に喜べない自分を責めてしまう。
「私の身体、何がいけないの?」 「クリニックを変えた方がいいのかな?」 「もう、何をしたらいいのか分からない…」
もしかしたら、あなたは今そんな気持ちかもしれません。
でも、ここで一つお伝えしたいことがあります。高度生殖医療を受けている多くの女性が、クリニックでのケアに「もう一つのアプローチ」を組み合わせているという事実を、ご存じでしょうか?
生殖医療のドクターも注目している「着床環境」という視点
最近の不妊クリニックでは、「着床の窓(Implantation Window)」という考え方が重視されています。これは、子宮内膜が受精卵を受け入れる準備が整っている、ごく限られた期間のこと。
どんなに良い胚でも、この「窓」が開いていなければ着床できません。
そして今、海外の研究論文では、鍼灸施術が子宮内膜への血流を改善し、着床環境を整える可能性が報告され始めています。実際、移植前後に鍼灸ケアを取り入れる女性が増えているのはそのためです。
なぜ「針を刺す」だけのシンプルな施術が、着床環境に影響を与えるのでしょうか?
あなたの身体、実は「冷えて固まって流れていない」状態かも
妊活鍼灸の専門家として、これまで数百人の女性の身体を診てきましたが、採卵・移植を繰り返しても授かれない方には、ある共通した身体の状態があります。
それは、「骨盤内の血流不足」と「自律神経の乱れ」です。
もくじ
血流不足のサイン:いくつ当てはまりますか?
✓ 手足が常に冷たい、特に足先が氷のよう
✓ 肩こり・腰痛が慢性化している
✓ 生理痛がひどい、経血に塊が混じる
✓ 顔色がくすんでいる、目の下にクマができやすい
✓ 舌の裏側の静脈が紫色に浮き出ている
これらは東洋医学で「瘀血(おけつ)」と呼ばれる、血流が滞っている状態です。血液が滞ると、子宮や卵巣に新鮮な栄養や酸素が届きにくくなります。
想像してみてください。冷たく固まった土壌と、温かくふかふかの土壌、どちらに種が根を張りやすいでしょうか?
子宮も同じです。
自律神経の乱れもチェック:こんな症状ありませんか?
✓ 夜なかなか眠れない、眠りが浅い
✓ 些細なことでイライラする、涙もろくなった
✓ 食欲がない、または食べすぎてしまう
✓ 動悸や息苦しさを感じることがある
✓ 常に不安で、判定日のことばかり考えてしまう
不妊クリニックでの高度な医療を受けていても、身体の土台が整っていなければ、その効果を最大限に活かせないかもしれません。
鍼灸は、この「血流」と「自律神経」の両方に働きかけることができる、数少ないアプローチなのです。
移植前後の鍼灸ケアで、身体を「赤ちゃんを迎える準備」に整える
【移植前:採卵後〜移植まで】子宮内膜を育てる黄金期
この期間の目標は、「ふかふかで温かい子宮内膜環境」を作ること。
鍼灸でアプローチするポイント:
1. 骨盤内の血流改善
子宮や卵巣周辺への血流を促進するツボ(三陰交、血海、関元など)に鍼やお灸を施します。血流が増えることで、子宮内膜が適切に厚みを持ち、受精卵を迎える環境づくりをサポートします。
2. ホルモン剤の副作用ケア
黄体ホルモン補充などで起こるむくみ、頭痛、だるさなどを軽減。身体の負担が減ることで、本来持っている力が発揮されやすくなります。
3. 深いリラックス効果
移植前の緊張や不安を和らげます。副交感神経が優位になることで、子宮への血流がさらに促進される可能性があります。
【移植当日】最高のタイミングでリラックス
海外の論文では、移植の前後(特に移植後30分〜2時間以内)の鍼灸ケアが注目されています。
この時間帯に鍼灸を受けることで期待できること:
- 子宮の緊張が緩み、着床しやすい環境になる可能性
- 移植のストレスから解放され、深いリラックス状態に
- 子宮内膜への血流がより促進される
実際、多くの不妊クリニックの医師も、移植当日の鍼灸ケアについて「やってみてもいいのでは」と話しています。
【移植後〜判定日まで】着床を見守り、支える期間
この時期は、「ただ待つだけの期間」ではありません。着床しようとしている受精卵を、身体全体でサポートする大切な時期です。
鍼灸でできること:
1. 着床を妨げない身体環境づくり
身体の緊張や冷えを取り除き、着床しやすい環境を維持します。
2. 不安との向き合い方をサポート
判定日までの不安な気持ちは当然です。鍼灸を受けることで、「自分の身体のために何かしている」という前向きな気持ちを保つことができます。
3. 免疫バランスへのアプローチ
着床には適切な免疫反応が必要です。身体全体のバランスを整えることで、受精卵を異物として攻撃しすぎない環境づくりをサポートします。
自宅でもできる!今日から始める「着床環境」ケア
鍼灸院でのケアに加えて、日常生活でできることもたくさんあります。
1. 【足首・お腹を温める】
足首には、子宮に関係する重要なツボが集中しています。レッグウォーマーや足湯、腹巻きで温めましょう。お風呂は湯船に浸かる習慣を。
2. 【腹式呼吸で自律神経リセット】
1日3回、5分ずつ。鼻から4秒吸って、口から8秒かけてゆっくり吐く。これだけで副交感神経が優位になり、子宮への血流が促進されます。
3. 【タンパク質をしっかり摂る】
子宮内膜や卵子の質を高めるには、良質なタンパク質が必須。卵、魚、大豆製品、肉を意識して。1日に手のひら3枚分が目安です。
4. 【自分を責めない】
「〜すべき」「〜してはいけない」で自分を縛らないでください。心の緊張は身体の緊張に直結します。ストレスこそが最大の敵なのです。
「また今回もダメだった」から「次は違うかも」に変わる瞬間
不妊クリニックでの高度な医療は、確かに素晴らしい技術です。でも、それは「種を植える技術」。
その種が根を張り、育つための「土壌」を整えるのは、あなた自身の身体の力です。
西洋医学の生殖医療と、東洋医学の鍼灸ケア。この2つを組み合わせることで、多くの女性が「身体が変わった」と実感しています。
- 「移植後、いつもは不安で眠れなかったのに、今回は穏やかに過ごせた」
- 「足先の冷えが改善されて、身体が軽くなった気がする」
- 「生理痛が楽になって、経血の色が鮮やかになった」
これらは、身体が本来の力を取り戻している証拠です。
あなたにとっての「最後のピース」は、もうすぐそこに
採卵も移植も、本当に大変な道のりです。心も身体も疲れ果てているかもしれません。
でも、諦めないでください。
あなたの身体は、まだ諦めていません。
ただ、少しだけサポートが必要なだけかもしれません。
クリニックでできること。 自宅でできること。 そして、鍼灸院でできること。
この3つを組み合わせることで、あなたの身体は「赤ちゃんを迎える準備」を整え始めます。
次の移植を控えているあなた。
何度も陰性で心が折れそうなあなた。
もう一度だけ、自分の身体の可能性を信じてみませんか?
子宮を温かく、血流を豊かに、心を穏やかに。
鍼灸で整えた身体は、あなたの願いに応えようとしてくれています。
あなたが赤ちゃんを迎える日まで、私たちは全力でサポートします。
まずは一度、お気軽にご相談ください。あなたの身体の状態を診させていただき、今のあなたに必要なケアをご提案いたします。移植前後のタイミングに合わせた施術も可能です。
「次こそは」を、一緒に叶えましょう。